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「私が『にんぎょひめ』だったころ」太田光代さん 才人操る敏腕社長

人気コンビ「爆笑問題」の太田光の妻で、所属事務所の社長。公私にわたる女房役が結婚20周年の年に、夫との出会いや多感な少女時代、多忙な社長業などをユーモアを交えてつづったエッセーを出した。

 フリーペーパーに連載中、締め切り間際に書き上げた原稿を最初に見せて、意見を求めたのは夫だった。「もともと物語を書いたりするのが好きで、書くことについては一番頼りになる人」だからだ。しかし、世間では毒舌で知られる夫から返ってきたのは、意外にも褒め言葉ばかりだった。

 「自分でも何か足りないと思って相談しているのに。社長の文章に駄目とは言えないと思っているんでしょうね」と苦笑する。

 先天性股関節(こかんせつ)脱臼で3歳まで入院した幼少期に始まり、夫が売れない時代の質屋通い、酔って木に登ったり鉄棒から落ちたりするなど、酒にまつわる武勇伝の数々......。敏腕社長のイメージからは一見遠い、ドジなエピソードや飾らない人柄が共感を誘う。

 自身もタレントだった1990年に結婚し、3年後に事務所を設立。わずか1週間で「自分は社長に向いている」と直感した。

 「自分より人のことを考えるのが好き。次に何をすればいいか。お笑いライブを全国の映画館で同時生中継するなど、戦略やアイデアがどんどん出てくる」

 幼いころ歩けなかった自分を人魚姫に例えるなど、夢見る少女のような感性を残しつつ、「夢を売るのが商売。夢の話のようでも、ビジネスプランを語っている」と言い切る顔は社長そのもの。さすがは才人を陰で操る仕掛け人である。(集英社インターナショナル、1200円)(多葉田聡)

2010年4月26日 読売新聞より

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