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【書籍】 「パラレルな世紀への跳躍」

「パラレルな世紀への跳躍」
太田光著

出版社:ダイヤモンド社
発売日:2003年12月5日
単行本:237ページ
価格:1,470円

2000年から2003年にかけて「TVBros.(テレビブロス)」誌に掲載された人気コラムを、テーマごとに再構成し単行本化。それ以前の連載分が書籍の形にまとめられた際には、お笑いコンビ爆笑問題で相方をつとめる田中裕二の紙粘土作品写真が添えられていた。しかし、今回は著者の文章のみの単独エッセイ集という形式をとっている。その分だけ、繊細な感性や主張がストレートに伝わる内容となっている。
日常生活の出来事、その中の実感から、人類史的な文明観までを縦横に語りつくすのが、著者の文体の特徴だ。書名にもなっている「パラレルな世紀への跳躍」という1編では、テロとの戦いといった時事問題から出発し、死生観、歴史観などが展開されていく。自身の読書傾向としてはSF文学や哲学書を好むという著者が、「お笑い」という表現を行なっていくうえでの発想の一端に触れることができる。

また、いくつものテーマとの関連でしばしば登場する少年時代、学生時代のエピソードも興味深い。友人たちとの輪の中心にいながら、一方で周囲との微妙な温度差を常に感じつづけていたことが繰り返し述べられる。この違和感が著者の芸風の根本にあると考えられるが、猟奇的な犯罪事件について語ったその名も「ズレ」と題された文章の中では、急激な速度で変化する時代の中の世間の常識とズレについての考察がなされている。ここでも、あくまで構造的に笑いを追求する著者の持ち味が存分に発揮されている。(松田尚之)
(Amazon.co.jpより)

目次
パラレルな世紀への跳躍(タバコ、嫌悪感 ほか)
移動する景色(学芸会、ズレ ほか)
日本人の常識(後悔と誇り、墓地の男 ほか)
新しい歴史(新しい歴史、舞台袖 ほか)

文庫版

出版社:集英社(集英社文庫)
発売日:2007年3月20日
文庫:248ページ
価格:580円

リンク
amazon「パラレルな世紀への跳躍」
amazon「パラレルな世紀への跳躍(文庫本)」

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